インクメイクは違法? 医療アートメイクの違い

インクメイクと医療アートメイクは、美容業界でよく混同されがちな2つの技術です。施術技法は、インクメイク、医療アートメイクのいずれも同様で、安全に針先に色素をつけて皮膚に刺入する技術です。しかし、その目的や、施術者、法律的な位置づけにおいては明確な違いがあり、医師しかできないタトゥーを医療アートメイクと言い、美容師しかできないタトゥーをインクメイクと言います。

まず、インクメイクは医行為から外れた(医療行為に当たらない)タトゥーを使ったメイクであり、美容行為として分類される施術です。インクメイクは、美容目的であり、心身ともに健康な者が純粋な美の追求のために行う施術で、主に美容師資格を持つプロフェッショナルが提供し、タトゥー技術を応用して行われるメイクアップ・ヘアメイクのひとつです。一方、医療アートメイクは、病気や怪我などで失われた機能や外見を元に戻し、健康な状態に近づけるために行う医療的な施術(美容整形外科手術など)で特に乳がん手術後の乳輪再建や傷跡のカモフラージュなど、外見の回復を目的とした施術です。医師または医療従事者によって行われます。

法律的な観点から見ると、インクメイクは美容師法に基づき、美容師資格を持つ施術者が提供するサービスとして認知されており、医療行為は行いません。これに対し、医療アートメイクは医師法に準拠しており、医師免許を持たない者が行うことは違法とされています。この違いは施術を受ける場所やプロセスに直結しており、インクメイクは美容サロンで行われるのに対し、アートメイクはクリニックなどの医療施設で行われます。

施術を受ける対象者の目的や健康状態により、どちらを選択すべきかが異なります。まずは信頼できるインクメイクライセンス保持者に相談し、施術を受けることを推奨しております。

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